平成15(2003)年10月20日(月)
教育への冒涜!三重県尾鷲市の教科書採択で贈収賄事件発覚
読売新聞平成15年10月18日夕刊
 三重県尾鷲市の公立小中学校用教科書採択をめぐって、収賄の容疑で三重県尾鷲市教育委員会教育長東利三容疑者が、贈賄の容疑で大阪書籍の元東海支社担当顧問蒔田順一容疑者など4名が逮捕されるという事件がありました。この事件は、平成13年度教科書採択の際に「巻き返しを図った」大阪書籍の関係者が、尾鷲市の教育長に対して現金数十万円を賄賂として提供したもので、警察はその見返りとして教育長が“大阪書籍派”の校長を教科書調査部会長に選んだものと見ています。結果的に、大阪書籍は小学校の生活と中学校の公民で新たに採択され、小学校の社会科などでも同社の教科書が継続して採択されました。

 このような事件は、当会や教科書問題に関心のある有志がたびたび指摘してきた、一部の教科書会社と採択関係者の癒着の存在を証明するものです。教育という子供の将来に対して責任を負うべき分野において、このような恥知らずな事件が起きたことは、言語道断であり、到底許されるものではありません。

 また、平成13年度の採択といえば、扶桑社の『新しい歴史教科書』および『新しい公民教科書』の採択に注目があつまった採択であり、多くの教育に関心のある国民や教育関係者が、真剣に教科書問題に取り組んだ時期でもありました。このような真剣な教科書採択の裏側で、今回のようなあまりにも卑劣な贈収賄が行われていたことは、真摯な活動をしていた人たちに対する裏切りであり、教育に対する冒涜に他なりません。

 教科書会社および採択関係者に対し、二度とこのような事件が起らないよう、再発防止の努力を強く要請するとともに、徹底的に事実関係を調査し、関係者の厳正なる処罰を求めたいと思います。