平成18(2006)年3月24日(金)
特殊指定廃止は「開かれた教科書採択」への重要な一歩
公正取引委員会に激励の声を届けよう
公正取引委員会は3月16日、過剰な競争がふさわしくない商品やサービス分野の一つとして特殊指定の対象としてきた教科書について、特殊指定を廃止する方針を発表しました。これはいわゆる規制緩和の流れに沿ったものですが、規制緩和が良いか悪いかは分野によってそれぞれ事情が異なり、一概には言えません。教科書に関しては、公取の方針は、私たちが求めてきた「開かれた教科書採択」の方向に合致し、積極的に評価すべき画期的な内容です。
例えば、特殊指定に基づき公取が定めた運用基準で禁止されていた「他社教科書との比較対照を公表すること」や「他社教科書の内容を批判すること」が自由になります。今までは教科書会社に対してこうした行為が禁止される一方で、朝日新聞などは特定の教科書を狙い討ちにして批判することがまかり通ってきました。今後は自由な言論戦が展開されることになります。(ただし、一方的な批判に対しては名誉毀損などの法律が適用されるのは言うまでもありません)
また、出版社が、教育に役立つ自社の出版物を置いていくことも、「物品(教材や書籍なども含む)を贈ること」に当たるとして禁止されていましたが、社会常識の範囲内で許容され、また、出版社が教科書を紹介する研修会なども開けるようになると思われます。すでに採択期間中の教科書の市販は昨年、文科省自体が認める通知を出しましたが、今後は教科書見本の配布制限も緩和されます。
さらに、「教科書の採択を勧誘依頼するための金銭の提供」、「採択関係者等の刊行物などへの過大な広告代支払い」、「宴会への招待、接待」、「観劇、旅行、催し物などへの招待」も禁止項目から除外されます。これだけをみると、公取はあたかも教科書会社による関係者への買収を奨励しているかのように受け取られかねませんが、そうではありません。こうした不正には、国家公務員倫理法や刑法の贈収賄に問われることになります。
朝日新聞は、3月17日付けの朝刊1面トップで上の事実を報道しました。その論調は、教科書の売り込みの競争激化をもたらし、大手出版社が有利になり、採択現場が混乱するとの懸念を伝えるものでした。教科書会社でつくる教科書協会も反発する動きを示しています。さらに扶桑社の教科書に反対する活動をしてきた高嶋伸欣、上杉聰氏らは3月22日、公取の方針に反対する緊急声明を発表し、むしろ規制を「強化」すべきであるとして、公取に意見を表明することを求めています。これら、朝日、左翼グループ、教科書協会などの一連の動きは、特殊指定による従来の規制が教科書採択を密室化し、既存の教科書会社の既得権を守るのに有利であり、特に扶桑社などの新規参入業者を排除することに効果的であったことを示しています。
公取は4月17日を期限として一般からの意見を募った上で手続きを進めるとしています。関係各位におかれましては、左翼グループの動きに負けないよう、公取の方針を支持し激励する意見を届けてくださるようお願いします。意見受付のメールアドレス、電話番号などの連絡先は次の通りです。
意見提出先
公正取引委員会事務総局 経済取引局取引部 取引企画課
住所
〒100-8987 東京都千代田区霞が関1−1−1
中央合同庁舎第6号館B棟
FAX
03−3581−1948
E-mail
kyoukasho-torihiki@jftc.go.jp
※提出期限は平成18年4月17日(月)必着です。
独占禁止法の「教科書特殊指定」
(『毎日新聞』平成13年7月15日付電子版より)
独占禁止法は「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない」(第19条)と規定し、「不公正な取引方法」の具体的内容は、公正取引委員会が指定している。1956年の公取委告示では、教科書の発行・販売業者については、直接、間接を問わず、
(1)教科書選択関係者に対し、金銭、物品、供応など経済上の利益を供与して選択を勧誘する、
(2)他の業者が発行する教科書を中傷・ひぼうするなど不正な手段で選択を妨害すること
などを禁じている。
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リンク >>
公正取引委員会
「教科書業における特定の不公正な取引方法」の廃止についての意見募集