| 最後に、この記事の問題点を、総括的に述べておく。 第一に、3月28日の理事会決定は、会長人事ならいざ知らず、副会長人事を決めただけであるから、普通の感覚では15行程度のベタ記事(1段組み記事)扱いが常識である。それを3段にまたがる大きな見出しを付け、大々的に報道したのは、「八木会長復帰」を既成事実化しようとする記者の意図に発したものである。新聞記者としては起こった事実を報道することに徹するべきである。報道を利用して事実をつくり出そうとするのは、新聞という社会の公器の私物化と言ってよく、新聞記者のモラルとして絶対にやってはならないことである。
第二に、3月29日付けの新聞記事は、前夜の9時53分に「産経web」でネット上に配信されていた。取材から配信までが極めて短時間であり、記者は予定原稿を準備していたと考えられる。4月3日、記者は「藤岡党籍問題」のガセネタを信じ込まされていたこと、謀略をしていた一味の一員であったことなどを事実上告白していたから、新聞記者の権限を利用した上記の党派的行動は最初から計画的なものであった疑いが強い。なお、一般会員の間にも数日前から、「八木会長復帰」の情報が流れていた事実がある。
第三に、つくる会としては、新聞報道がなされた3月29日の午前中に、種子島会長、八木副会長の承認を得て、事務局から担当記者に対して正式に抗議した。FAX通信第170号(3月29日)でも、特に上記の(3)と(4)について「明らかに理事会の協議・決定内容ではありません」として会員に告知している。
なお、4月30日の理事会で種子島会長と八木副会長が辞任したことを、産経新聞は全く報道していない。これは、教科書問題取材班が解散したことと関係している。会の「内紛」には一切介入せず、「内紛」が収まるまでは会の報道を一切行わないという産経新聞社の方針の反映であると考えられるが、「内紛」を書き立ててきたのが朝日新聞ではなく産経の記者であったことを考えると、これはむしろ歓迎すべき方針である。
周知の通り、産経新聞は「新しい歴史教科書をつくる会」の発足当初から、一貫してこの会の試みを好意的に報道して下さった。今回、一部の記者の行動によってこのような事態に立ち至ったのは誠に残念でならない。しかし、会員各位におかれては、産経新聞全体と一部の記者の行動を混同することなく、正確な認識をお持ちいただくようお願いしたい。
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