平成18(2006)年6月14日(水)
 
コンピューター問題に関する誤解について 
メンテナンス担当者の報告書を掲載するにあたって
  (1)つくる会副会長・理事を辞任し退会した八木秀次氏は、雑誌『諸君!』7月号に執筆した文章の中で次のように書いています。

<会員管理ソフトを問題にした藤岡氏が連れてきた専門家がこれはよくできたソフトであり、メンテナンスすれば十分使えると明言したのである>

 
この記事をたまたま読んだその専門家のK氏(会としてボランティア・ベースでメンテナンスをお願いしている方)が、これはご自身の発言の一部を正反対の意味に曲解したものであることに気づき、「つくる会会員管理システムの現状について」と題する報告書を寄せて下さいましたので、以下に掲載します。

  (2)また、FAX通信第171号(4月7日付け)には、次の告知があります。

<※なお、会員の一部に心配の声が出ておりました本部事務局の「会員管理コンピュータープログラム」は、現在のところ問題なく稼働しており、適切なメンテナンスによって今後もやっていける目途がつきましたのでお知らせします>

 
この一文を根拠に、同じく理事を辞任し退会した新田均氏は、コンピューター問題は「捏造」であるという趣旨の主張をされています。上記の告知は、種子島会長・八木副会長の時期に、種子島会長の強い意向で事務局に指示して掲載したもので、誤解を招く表現でした。

  以上の理由から、FAX通信第171号の上記記事を取り消します。FAX通信を利用したこのような不明朗な工作が発覚したのはこれが3回目ですが、以後このようなことがないように、理事会において、FAX通信の送信方法および事務局の管理体制を検討します。

  (3)今回のK氏の報告書によって、昨年11月12日付けの「会員管理システム問題にかかわる調査報告」の正しさが改めて確認されました。この報告書は、八木会長(当時)の提案で設置された「事務局再建委員会」(八木会長、遠藤・藤岡副会長)の調査に基づき、同日の執行部会で確定した文書です。その報告書では、第三者であるコアサイエンス社の技術者によるシステムの不安定性の指摘と、システム開発にあたったコンピュートロニクス社自身が新たなシステム構築を勧めていた事実に基づき、

1.不明朗な発注によって、
2.1千万円もの投資をし、
3.それがきわめて不安定な状況にある、

という問題を指摘しました。この問題は依然として解決されていないのであり、会として今後どういうシステムが適切であるかを検討します。

つくる会会員管理システムの現状について
 
平成18年6月9日
  表題システムの現状について報告いたします。

(一)本システムの問題点

  本システムの現状は、何の問題もなく、安定して稼働している訳ではありません。下記のような問題点を内包しつつ、対処・カバーしながら、問題が起こらないようにしている状況なのです。

1)システムの脆弱性

  ファイルメーカーサーバー本体において直接ファイルを閲覧、コピーなどの通常の操作を行うと、ファイルの一部が破壊され、システム全体がハングアップしてしまう現象が発生する。

  これは、原因は特定できないし、特定操作と関連した再現性もない。いたずらに再現実験をすることは実作業の妨げとなり、システム全体の崩壊につながりかねないので危険であり、できない。現在は一部ファイルのバックアップからのリカバーでかろうじて復旧させている。
 
  複数クライアントのマシーンの同時操作によりシステムが上記同様ハングアップを来す事がある。この発生の状況も不安定で、特定操作と関連した再現性も希薄である。この状況は、現在のサーバー・クライアントシステムの構成自体の価値を否定するものである。つまり、同時に複数クライアントからのサーバーへの安定したアクセスが可能であるためのフアイルメーカー・サーバーシステムであることこそがこのシステム構成の価値である筈だからである。

  この現象も確定的原因は特定できないが、ファイルメーカー・サーバーシステム自体の転送バスの狭隘さ、脆弱性に帰すものと推測される。システムの使用環境条件に合わせた最適設計に疑問があるということである。かつ、システムの破壊・停止の可能性も上記同様存在する。

2)ファイルメーカー・スクリプトの脆弱性

  本システムは、正確に言えば、新たなプログラムの開発にかかるものではない。ファイルメーカーという既存プログラムのなかで、このプログラムの持っている種々の機能の範囲で関連条件を設定し使用したり、コマンド命令の集合であるスクリプトという小規模のプログラムを組み合わせて、絡んだ糸のように構成しているものである。この複雑な諸設定、スクリプトの集積の山が本システムを形づくっているのである。もちろん、このことは上記1)の要因ともなっている。これを踏まえて、現状の危険性を述べる。

最初期の諸関連設定やスクリプトの設計設定の拘束が有るため、後の機能追加において十分最適なスクリプトや各種設定がなされているとはいえず、複雑、難解、過大な構成となっている。このため、メンテナンス上、異常動作時の対処上、解析の困難性が大きい。単一異常から全システムに波及する崩壊の危険は存在する。
外部のアプリケーションからの必要上、スクリプトの改変の必要性が生じたとき、(今回、「コンビニ君」の仕様変更に対応した改変の必要性が生じた)影響を与える既存設定条件や機能、スクリプトの範囲の特定が複雑怪奇であり、最悪の場合、システム全体の崩壊の危険をはらんでいる。

  以上のような諸々の危険性が存在致します。このシステムは今以降も何もせずに安定して稼働し続ける訳ではありません。小生に与えられた役割は、只管「本システムの安定した、問題のない運用に資すること」であります。表面上、何事も起こらず、何も危険が存在しない、小生の存在が無いがごとく皆様に思っていただくことこそ、小生の本望とするところかもしれません。しかし、元々完璧なシステムであるがごとき謬見をお持ちになられ、メンテナンスそのものが不要であるとのお考えがあるとすればそれは誤りであります。

(二)本システムに関して公表された記事について

  「つくる会の体質を正す会」と称する新田均氏のブログに掲載された種子島経氏の手記や、『諸君!』7月号掲載の八木秀次氏の手記等を見ましたが、PC関連の点において納得がいかない箇所がございましたので、若干感想を述べます。

  1)問題の発端は、「システムがいつまで使えるかという問題、つまり、ソフトやハード的なシステムの崩壊の危険よりも、ソフトの金額や恣意的な契約の仕方であった」ように小生には把握できました。 しかし、この問題を5月26日当該ブログ掲載の「狂乱の春?『つくる会』会長職2ヶ月」と題する寄稿文で種子島氏は、以下のように書いています。
 
  「宮崎問題も、八木さんを追い詰めるための方便に過ぎず、その中心だった会員管理プログラム問題が嘘の皮だったことは、それが今日も無事稼働しており、それが藤岡さんの知り合いの方に、月20,000円でメンテナンスされていることからも自明である。」

  つまり、この寄稿では問題を崩壊の危険の方「だけ」にすり替えてしまっています。もちろん、崩壊の危険を追及理由の一部に入れることも、契約方法やメンテナンスの先見性のなさという視点から考えると間違っているとは思いません。実際、崩壊の危険もメンテナンス契約期間の終了が間近に迫っていたのですから、危険という意味で、全くの真実です。崩壊の危険は「嘘の皮」でなく、紛れなく存在したし、現在も存在するのです。

 次の、「藤岡さんの知り合いの方に、月20,000円でメンテナンスされていることから」という文章は、「から」に続いて、なぜ「嘘」が自明なのか、ある恣意的な解釈の存在を強引に割り込ませないと理解できない文章です。すなわち、「藤岡さんの知り合いの方」が藤岡さんの意を体した任務を持つ者であるという解釈の存在が前提されています。つまり、「意を体して、もともと無い危険を有ったことにして、20,000円を与えて、何とか押さえ込んでいる風を装っている」とでもおっしゃりたいのでしょうか。
 
  しかし、小生は単なる勉強会で藤岡さんを存じ上げており、先方も小生の自己紹介から、パソコンに関係していた仕事をしていたと知っておられた程度の関係で、藤岡さん派の一員というには当たらない、単につくる会の活動に賛同するパソコンの技術者でしかありません。今回のこの文章に関わるお話をうかがったのは6月9日ですが、それまで、会の事務所にご案内いただいた3月6日以来、お会いしたことも会話をしたこともありませんでした。

 小生はPCシステム関連の事に関する真偽しか判りませんが、わずかこれだけの中に、

1. 重要問題にも関わらず、問題の構造を判っていない→問題のすり替え
2. 派閥的策略の存在の一方的なレッテル張り
3. よけいな情報の開示(会内部では良いにしても外部に、「20,000円」の公表は常軌を逸している。他の箇所では実名の公開もされている)があります。全体についても疑問であるという疑念を抱かざるを得ません。

  2)もう一つ問題とすべきは『諸君!』7月号の八木秀次氏の文章(p.32)です。
  「藤岡氏が連れてきた専門家がこれはよくできたソフトであり、メンテナンスすれば十分使えると明言したのである」と書かれていますが、小生の真意とした「これはよくできたソフトであり」というのは、「よくもここまで複雑に入り組んだソフトを作り上げたものですね」というやや皮肉な意味であり、その直後に将棋崩しゲームの例えで、「一つの駒を取り去ったり動かそうとすると将棋の山全体が崩れるので、改良や構成を整理したり機能削除はしない方がよい」と申し上げた記憶があります。

  つまり、前半だけを取り出して誤解されたものではないかと思われます。また、小生は直接八木氏とは話したことはありませんので、伝聞の間に話の意味が誤解されたのかもしれません。結論的には、八木氏の文章も、この部分については、伝聞による誤解がもととなっていますので、論拠としては欠格しているように思います。         

(以上)
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