第190号 平成19年(2006年) 3月9日(金)  

自民党議連が「河野談話」の再検証を政府に提言
 米議会での決議案阻止と「慰安婦問題」の再調査を求める
民主党も「慰安婦」「南京問題」で議連立ち上げへ
  自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(中山成彬会長)は、3月8日、慰安婦問題に関する提言をまとめ、同日、安倍晋三首相に提出しました。
 提言の内容は、@米議会における謝罪決議案の採択を阻止することA慰安婦問題の根本的な解決のため、政府として再度の実態調査を行い、関連する資料等の結果を全面的に公開すること、の2点ですが、とくに「数々の『慰安婦』問題に対する誤った認識は、平成5年の河野官房長官談話が根拠となっている」と指摘し、実質的に、政府による再調査によって「河野談話」の見直しを求める内容となっています。
 この提言を受けた安倍首相は、記者団の質問に対し、「政府による再調査」については言明を避けたが、自民党への資料提供等協力を行っていくことを明らかにしました。
 しかし、自民党の議連としては、あくまでも「政府による『再度の実態調査』」を求めており、今後さらに政府に対して「提言」の実施を求めていくことになると思われます。
 このような動きの中で、8日午後、「つくる会」の藤岡信勝副会長は議連の中山会長と会い、「提言」をまとめた努力に敬意を表するとともに、具体的な実施にむけた一層の取り組みを要請しました。同時に、同議連は「南京問題小委員会」も活動を行っており、「南京問題」への取り組みをも併せて要請しました。(『史』3月号、中山成彬議連会長へのインタビュー参照)
 また、民主党は渡辺周、松原仁議員等20人余りの議員が呼びかけ人となって、3月9日に「民主党・慰安婦問題と南京事件の真実を検証する会(議連)」を立ち上げることが明らかとなりました。この呼びかけ文では「政府の不作為によって日本の国益が毀損することを防ぐべく、慰安婦問題をめぐる河野談話を見直し、南京事件の史実を検証する」としており、自民党議連の動きに連動する動きとして注目されます。
 「つくる会」は、このような国会での動きとタイ・アップし、「慰安婦」「南京問題」への取り組みを積極的に展開していくこととしています。

自民党議連の提言(全文)

 「慰安婦」問題に関し「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」は、「慰安婦問題に関する小委員会」を立ち上げ、昨年12月より有識者、歴史研究者等からの資料の提供、聞き取り等を踏まえ、調査、検証を重ねてきた。

我々としては、歴史の事実に対し、常に誠実、謙虚でありたいと考える。
同時に事実ではない、あるいは証左に基づかない非難に対しては明確に正当な主張、反論を行う必要があると者える。
以上を踏まえ、我々は政府に対し、次のように提言する。

1. 「慰安婦」問題に関し、今、米国下院に提出されている決議案は、「若い女性を日本帝国軍隊が強制的に性的奴隷化」、「輪姦、強制的中絶、屈辱的行為、性的暴行が含まれるかつて例のない」、「20世紀最大の人身売買」などの客観的史実に基づかない一方的な認識により、日本政府に対して謝罪を求めている。日本の名誉のためにも米下院関係者を含め、「慰安婦」問題に関して内外に正確な理解を求め、決議案が採択されないよう、引き続き外交努力を行う。

2. 今回の慰安婦決議案も含めた数々の「慰安婦」問題に対する誤った認識は、平成5年の河野官房長官談話が根拠となっている。当時は公娼制度が認められておリ、慰安婦の中には不幸な境遇の方々がおられたことは認識している。この点に関しては同情を禁じえないし、遺憾の意を表する。しかし、我々の調査では、民間の業者による本人の意思に反する強制連行はあっても、軍や政府による強制連行という事実はなかった。  1件だけ、ジャワ島における「スマラン事件」があったが、これは直ちに処分されており、むしろ軍による強制連行がなかったことを示すものである。政府として本問題の根本的解決のため、再度の実態調査を行い、関連する資料等の結果を全面的に公開することを求める。


平成19年3月8日
目本の前途と歴史教育を考える議員の会
所属議員一同


 
 

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