第207号 平成19年 10月16日(火)

教科書への不当な政治介入を許すな!

「集団自決」検定問題で緊急集会開催
沖縄集会11万人、実数は1万3千余名

  「教科書検定への政治介入に反対する会」は、10月15日午後2時より、参議院議員会館会議室において、緊急集会を開催しました。集会には約150名が出席、「つくる会」からは、藤岡信勝会長、福地惇・高池勝彦両副会長が呼びかけ人として出席しました。

 集会は発起人・小田村四郎氏の挨拶ではじまり、問題提起として中村粲氏から、「政府は『11万人』に腰がくだけた」「マスコミは『防衛隊』と『日本軍』との誤解・錯覚を悪用し、論理をすり替えて報じている」と問題点を指摘しました。続いて当会の藤岡会長が登壇、「軍の『関与』と『強制』は結局のところ同義である」として、「『関与』という言葉自体を使う事への危険性」を強調、11万人と報道されている9月29日の沖縄集会の参加者数について、実数は13,000余名であることを明らかにしました。また文科省が政治介入によって教科書の書き換えを行った場合には、教科書裁判を行うことも提起しました。次いで元挺進隊中隊長であった皆本義博氏は、自身の体験談より「軍命令の存在」を否定、「正しい史実を後世に残したい」と切実な思いを述べました。

 出席した国会議員として稲田朋美・萩生田光一両衆議院議員が挨拶、稲田氏は「数によって教科書はかわるものではない。検定に対する政治介入を非常に危惧している。他の自民党の多くの議員もこの問題を危惧しており、教科書議連でも取り組んでいく動きがある」と報告しました。

 その後、「沖縄戦『集団自決』検定を支持し、教科書への政治介入に反対する決議」が大きな拍手の中、満場一致で採択され、高池副会長の閉会挨拶で緊急集会を終了しました。

 集会終了後、同会場で記者会見が行われました。
 「つくる会」は今後も、政府・国会議員への働きかけを強力に行っていく方針です。
 今回、集会で採択された決議は以下の通りです。

 

沖縄戦「集団自決」検定を支持し、
教科書への政治介入に反対する決議

 沖縄県民の「集団自決」は日本軍の命令により強制されたとする高校日本史教科書の記述が、今春、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現」との検定意見が付されて修正されたことに対し、さる9月29日、その撤回を求める大規模な沖縄県民集会が開かれた。以来、「集団自決」記述検定問題が国民的論議を巻き起している。

 「集団自決」は決して忘れてはならない悲劇である。だからと言って、いや、だからこそ、史実が歪められることがあってはならない。軍の「命令」や「強制」が無かったことは実証され尽した史実である。検定意見は、そうした流れを反映した公正かつ妥当な内容である。

 ところが、渡海文部科学大臣は沖縄県民集会を受けて、教科書会社からの訂正申請があればこれに応ずるとの方針を示した。また、国会では野党各党だけでなく与党の一部までも「検定意見の撤回」や「記述の復活」を主張し、福田総理大臣は文科省の事実上の撤回方針を後押しするかのように「県民大会に参加した多くの方々の思いを重く受け止め、文部科学省でしっかりと検討する」とまで表明した。

 検定意見の撤回を求める一連の動きは、教科書への不当な政治介入であり、検定制度の崩壊を導く。こうした現状を座視できない我々は、政府及び沖縄県の各関係機関、国会議員に対して過ちなき対応を求めると共に、そのことを広く国民に訴えるために、あらためて次のことを確認する。

 一、沖縄戦「集団自決」で軍の「命令」や「強制」が無かったことは実証済みの史実である。

 一、この史実に立った正当かつ妥当な検定意見の撤回を求める政治介入は、教科書検定制度を根本的に否定するものであって、決して許されない。

 一、当該検定意見を尊重し、教科書記述の再書き替えを認めてはならない。

 以上、決議する。

  平成19年10月15日

  沖縄戦「集団自決」―教科書検定への不当な政治介入に断乎反対する緊急集会

 【発起人】大原康男 小田村四郎 高池勝彦 田久保忠衛 中西輝政 中村粲 福地惇 

       藤岡信勝 宮城賢秀 屋山太郎 渡部昇一


 

注)沖縄集会の13,037名という実数は、琉球新報に掲載された会場全景の写真に写った人々の数を一人ひとり数えた数の総計です。

 

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