第247号 平成21年 1月28日(水)


「つくる会」の申し入れに対し統合幕僚長から回答文

「12.17 朝日報道は発言の意図を伝えていない」


  昨年12月17日付の朝日新聞は、更迭された田母神俊雄統幕長が校長をしていた統幕学校の講師に「つくる会」の関係者が加わっていたことについて、「統幕学校講師『バランス欠く』/統合幕僚長、見直し表明」との見出しで報道しました。これに対し、「つくる会」は「当会の歴史観・国家間観に問題があると誤解されるような表現となっている」ことを重視し、去る12月26日に齋藤隆統合幕僚長宛に下記の文書で申し入れを行いました。
 これに対し、統合幕僚長は、申し入れを重く受け止めるとして、1月27日、文書で下記のとおり回答して来られましたのでお知らせします。
 なお、この文書回答に先立ち、去る1月21日午後、藤岡信勝会長、杉原誠四郎副会長、鈴木事務局長の3名が防衛省を訪れ、尾上定正報道官と会見、申し入れの趣旨、当会設立の趣旨、「つくる会」の教科書が教育基本法と学習指導要領に基づいて作成され、文科省の検定に合格して教室で使用されていること等について十分説明し、理解を得たことも併せてご報告します。

 (当会の申し入れ文書)

                                          平成20年12月26日
防衛省統合幕僚監部幕僚長 斎藤 隆殿
                                          新しい歴史教科書をつくる会
                                                  会長 藤岡信勝
    
                 12月17日付朝日新聞の報道内容について

謹啓 師走の候 わが国の平和と安全を守るために日夜ご奮闘のことと拝察し、心より感謝申し上げます。
 さて、朝日新聞が去る12月17日朝刊で次の通り報道しました。

 統幕学校講師「バランス欠く」/統合幕僚長、見直し表明
  参院外交防衛委員会は16日、航空自衛隊の田母神・前航空幕僚長が校長を務めていた統合幕僚学校(東京都目黒区)を視察した。
  意見交換の中で、統幕学校の歴史観・国家観の講師を複数の「新しい歴史教科書をつくる会」関係者が担当していたことについて、斎藤隆統合幕僚長は「一部バランスに欠けている。講師の選定、内容をどうするか検討しなければいけない」と述べ、教育内容などを見直す考えを示した。

 この報道によると、あたかも、当会(新しい歴史教科書をつくる会)の歴史観・国家観に問題があると誤解されるような表現となっており、真実の史実に基づき、教科書の改善を通して、まさに歴史観・国家観のバランスの回復を目指している当会にとって、名誉にかかわる極めて遺憾な表現であります。さらにまた、国家機関の重責を担う公務員の立場にある貴殿が、一民間団体たる当会にあらぬレッテルを貼り批判されるとしたら由々しき問題であります。 
つきましては、朝日新聞の報道が統合幕僚長のご発言の趣旨と異なるとするなら、朝日新聞社に対して直ちに誤報を訂正するよう、しかるべき措置をとっていただきますようお願いいたします。朝日報道が正しい場合は、ご発言の根拠を伺いたいと存じます。また、もし何らかの事情で当会についての正確な情報をお持ちでない可能性もあり、その場合は拝眉の上ご説明申し上げたく存じております。ご参考までに当会の趣意書を添付させていただきます。
 年末・年始のご多忙の中とは存じますが、当会にとっては極めて重要な事柄ですので、平成21年1月9日(金)までに、文書でご回答賜りますようお願い申し上げます。
                                                    敬具

 

(統合幕僚長からの回答文書)

                                             平成21年1月27日
新しい歴史教科書をつくる会
会長 藤岡信勝 様

                                    統合幕僚長 海将 齋藤 隆 印

12月17日付朝日新聞の報道内容について

謹啓 新春の候 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。また、平素から自衛隊、統
合幕僚学校等にご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 早速ですが、ご照会のありました朝日新聞の報道内容に関し、以下のように回答申し上げ
ます。

 統幕学校の教育は、世界情勢、戦略、統合運用、歴史観・国家観などの幅広い課目を設定
し、幹部自衛官が多くの見解に触れ、視野を広げ、考える力を身につけることを目的として
おります。この観点から、各分野における様々な識見を伺うべく部外から講師をお招きし、
ご講義をいただいているところであります。
 参議院外交防衛委員会のご視察に関しましては、当時の懇談記録がないこと、時間が経過
していることから、私自身の記憶も正確性を欠いておりますが、概ね当該記事のような発言
をしたものと認識しております。私自身、部外講師が自身の見解を講義し、幹部自衛官が様
々な見解があることを学ぶことは、否定されるべきものとは考えていません。お尋ねの発言
については特定の講師や講義がバランスに欠けているという意味で申し上げたのではなく、
講師の構成について、課目全体として見てバランスをとる必要があるとの主旨から言及した
ものです。この点について、当該記事は必ずしも発言の意図を正確に伝えるものではありま
せんが、私としましては誤報として訂正を求める程度のものではないと考えております。私
自身、貴殿及び貴会を批判する意図は毛頭ございませんので、その点につきましては何卒ご
理解を賜りたくお願い申し上げます。
統合幕僚監部としましては、今回の事案を踏まえ、国会議員の方々などから様々なご意見
を頂戴しましたので、これを真撃に受け止め、高級幹部教育の目的を達成できるよう、課程
のより一層の改善に努めて参りたいと考えております。貴殿及ぴ貴会関係者の皆様方には、
引き続き統合幕僚学校に対するご理解とご支援を賜りたく、衷心よりお願い申し上げます。
                                                    敬具


                                                         以上




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