第274号 平成22年 5月21日(金)



浜教組の違法行為について文部科学大臣に申し入れ
 違法文書の完全回収と厳正な処分を要求

 

 新しい歴史教科書をつくる会は、横浜市教職員組合(浜教組)が行った教科書使用に関する違法行為に関して、5月21日、川端文部科学大臣に対して、下記の通り文書で申し入れを行うとともに、文科省記者クラブで会見を行いました。
 申し入れた内容は、つぎの通りです。

 
                                         平成22年5月21日
文部科学大臣 川端達夫殿
                                   新しい歴史教科書をつくる会
                                           会長 藤岡信勝

         横浜市教職員組合(浜教組)の違法行為に関する申し入れ

 (1)横浜市では、昨年度の教育委員会による教科書採択で、中学校社会科歴史的分野の教科書として、自由社の『新編 新しい歴史教科書』が18行政区のうち8区において採用され、本年度から使用開始となっていました。ところが、この4月初めに、かねてから自由社教科書の採択反対・採択撤回運動を進めていた横浜市教職員組合(浜教組)が、自由社の歴史教科書の記述内容の問題点を指摘した上で、教科書にかわる教材を使用した「中学校歴史資料集」(42ページ)を、1万人を超える教員に配布しました。

 (2)この資料集は、室町時代の民衆と一揆、江戸時代の身分制社会、大日本帝国憲法、日清戦争、日露戦争、アジア太平洋戦争の6つの項目を立て、自由社の教科書からいくつかのパラグラフを引用して「問題点」を指摘しています。それによって、自由社の教科書を使ってはならないのだと、教員に思い込ませるようになっています。
その上で、「授業の展開例」と「資料」が掲載されていますが、資料はすべて、自由社以外の他社の教科書および一般図書からの引用で、自由社の教科書に掲載された資料は、ただの一つも使われていません。江戸時代の身分別人口の割合を示す円グラフは、同じ資料が自由社の教科書に掲載されているにもかかわらず、他社の教科書からわざわざ引用するなど、「自由社教科書を使わなくてもこのように授業ができる」という、具体的なマニュアルを示すものとなっています。
 それら指導案の内容は、時代遅れとなった階級闘争史観、貧農史観、日本をことさらにおとしめる自虐史観に貫かれた、悪名高い「日教組教育」そのものです。
さらにあとがきでは、「他の単元についても」同様の研究をすることを呼びかけており、6つの単元にとどまらず、今後すべての単元で自由社の教科書を使わずに授業をすることができる条件をつくろうとする意図が露骨に表明されています。

 (3)この資料集が意味するものは、文部科学大臣の検定を経て、横浜市教育委員会がその権限と責任に基づき正規の手続きに従って採択した教科書を、現場の教員に使用させまいとする、組織的で大がかりな「教科書不使用運動」です。これが、教員の教科書使用義務を定めた学校教育法などの一連の法規に反する極めて悪質な違法行為にあたることは明白です。
 横浜市が定めた横浜市立学校の管理運営に関する規則でも、「小中学校において使用する教科書は、教育委員会が採択したものでなければならない」と明記されています。裁判所の判例でも、教科書使用義務の具体的な解釈として、「授業に持参させ、原則としてその内容の全部について教科書に対応して授業すること」(昭和58年12月24日、福岡高裁判決)とされ、「特定の教科書の内容が自分の考えと違うとの立場から教科書を使用しないのは、懲戒処分の理由に該当する」(平成2年1月18日、最高裁判決)ともされています。
 横浜市教職員組合の今回の違法行為を放置するとするなら、教科書検定制度と採択制度の根幹を揺るがし、教育委員会制度を否定し、教育現場は法を無視した教員組合の恣意やイデオロギーがまかり通る無法地帯となり、日本は法治国家の実を失うことになります。こうした事態を絶対に許してはなりません。

(4)さらに、このような違法行為を煽る労働組合の文書が、管理者である教育委員会の正規の運搬システムである「学校ポスト」を無断使用して教員らに配られていたことも発覚しました。「学校ポスト」は横浜市が年間5300万円の費用をかけているシステムで、公務以外の組合活動や教職員の私的利用は厳禁されているものです。これもまた、労働組合による公的制度の私物化です。今までも、このようなやり方が日常化していなかったか、厳しい検証が必要です。

 (5)さすがに、横浜市教育委員会は4月28日付けで山田巧教育長名で「横浜市教職員組合執行委員長柳井健一」宛てに「警告」文書を発信し、@教育委員会による適正・公正な採択を否定し、授業の中で資料集のみを使用して指導する展開例が示されており、「極めて不適切」である、A昨年8月に、業務外・私的利用を禁止する通知をしたにもかかわらず、学校ポストが使用されたことは「極めて遺憾」であるとしたうえで、「今後、このような文書を教員に配布しないこと」、「学校ポストについて、職員団体活動に使用しないこと」の2点をもとめました。
 また、同時に学校長宛てに通知を出し、「各学校においては、文部科学大臣の検定を経て横浜市教育委員会が採択した教科書を必ず使用しなければなりません」と述べて、適切な教育課程管理を指示しました。
しかし、それだけですまされてはなりません。違法行為を教唆する資料集は直ちに回収させるべきであり、また、そのような資料の作成に関与した教員と「学校ポスト」を違法に利用した教員を処分すべきです。上記の横浜市教育委員会の措置は、浜教組に甘い、微温的なものにとどまっています。

 (6)教員には、教科書採択について決定権はないものの、多くの自治体では意見を具申することが採択制度の一環として認められています。その正当な意思表明の枠を超えて、その外側から、日教組などの労働組合が自分たちのイデオロギーに合わない特定の教科書を公然と排斥したり、教育委員会が適正・公正な手続きで採択した教科書の撤回を求めたりする運動が、批判や厳罰に逢うことなく見逃されてきたことに、今回の不祥事の根本原因があります。
 実際にも、浜教組は、採択期間中から「つくる会教科書」の不採択運動を進め、採択後は採択撤回運動に取り組み、503分会の署名を集約し、街頭で市民にまで署名を呼びかける行動に出ました。今回の「教科書不使用マニュアル」の配布は、単にその活動の延長であるにすぎません。教科書を使用して授業をする職務をになって雇われている地方公務員が、その教科書を批判し採択撤回を求める署名活動まですることの異常さに気付かないほど、教育現場は日教組イデオロギーに汚染されてしまっているのです。今回の問題を根本的に正すためには、教員組合による教育内容への「不当な介入」(教育基本法第16条)を根本的に禁止する措置がとられるべきである。

 (7)以上のことに基づき、文部科学大臣におかれましては、上記の趣旨をよくご検討いただき、次の諸点について取り組まれるよう切望いたします。
 @今回の浜教組による「教科書不使用運動」問題の事実関係を徹底的に調査すること。
 A再発を防止し、この種の違法行為の根絶を目指して、浜教組の違法な資料集を直ちに回収させ、関係者を厳重に処分するように横浜市教育委員会を指導すること。
 B今後、日教組など教職員組合による、特定の教科書を排斥するなどの教育内容行政への「不当な介入」を禁止する抜本的な措置をとること。
 C教員の教科書使用義務について、教員ならびに一般社会に広く知らしめること。
                                         (以上)

           岡野俊昭理事が参議院選挙出馬のため理事を辞任

 当会の岡野俊昭理事から、本年7月に実施予定の参議院議員選挙に日本創新党から比例区候補として立候補するため理事を辞任したい旨申し出があり、5月17日に開催した第135回理事会で承認されましたのでお知らせします。


 

 


 

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