
文科省当局は、大学入試センター試験の世界史出題者の「氏名を公表する」と明言した。これは、去る2月26日に開催された自民党の「日本の前
途と歴史教育を考える若手議員の会」(会長=古屋圭司衆院議員)総会に出席した文部省高等教育局・戸渡速志学生課長と大学入試センター・鬼島
康宏副所長が答えたもの。ただし、「委員の任期が2年で毎年半数交替という事情や委嘱時に非公開を前提にしていることなどを踏まえて、公表の
仕方については検討を要する」としており、公表時期や方法は今後の課題として残された。また同総会では、出題基準の問題、その根底にある教科
書の記述内容の問題点についても今後さらに追及していくこととし、次回はセンター試験の作成にかかわったOB委員と教科書会社の関係者も呼ん
で開催する予定である。
出題チェック基準や教科書記述についても厳しい指摘が続出
「若手議員の会」の総会では、司会の下村事務局長が冒頭から、懸案のセンター試験作成委員の公表問題について問い質したのに対し、戸渡課
長、鬼島副所長の応答は回りくどいなど歯切れが悪く、質疑応答の繰り返しもあったが、各議員の問題意識の強さ、取組み姿勢の熱心さがみなぎる
白熱した会合となった。 入試問題作成委員の「氏名を公表する」と確約したやりとりや教科書記述の問題にまで言及した同総会の概要は次のとおり。
(以下、文=文部科学省、セ=大学入試センター、若=若手議員の会)
セ:従来、委員名は公表してこなかったが、可能な限りオープンにして透明性を高める時代であり、どのような仕方で公表すべきか検討中である。
問題作成には2年かけており、委員の任期も2年。1年ごとにメンバーを半数ずつ交替するという仕組みでやっており、今年任期を終えた委員も翌
年の問題作成にもかかわっているので、いつの時期に公表するのがいいのか慎重に考えている。
若:公表するのか、公表そのものが検討中ということなのか?
セ:公表する方向で考えている。
若:文科省から事前に受けていた説明と違う。文科省からは公表を前提として、任期を終えた半数ずつを五月雨式に公表するか、それとも全員が任
期を終えてから一括して公表するかという公表の仕方を検討していると聞いた。内部で意見が合致していないのではないか。
文:公表することを前提に公表の仕方を検討している。ただし、すでに退任した委員については公表の同意を得ていないので、公表については検討
が必要。
セ:文科省と同じ考えだ。公表時期は試験作成の流れもあるので検討したい。
若:退任した委員名の公表になぜ同意が必要なのか。公表して困るような人、社会的な批判に耐えられないような人を委員に選んでいるのか。
文セ:公表する。
若:任期が終わった委員名はすぐ公表しても問題ないではないか。
文:例えば今年3月に任期が終わる委員も、来年1月の試験作成にもかかわっているので、漏洩などの問題がある。
若:試験作成のチェック機能がきちんと働いているかどうかも問題だ。
若:「強制連行」問題を作成したのは1人か、複数か。そして誰がチェックしたのか。
セ:第一委員会の部会(約20名)が作成し、第二委員会の部会(10名前後)が点検する。教科書をベースにチェックしている。
若:任期が終わった委員から毎年公表すべきだ。また高校教科書の中に「強制連行したりして従軍慰安婦とした」という記述があるが、そんな事
実はなかったことが明らかになっており、問題だ。文科省の検定がおかしい。
若:入試センターは、今後「強制連行」のチェックをどうするのか、方針を出すべきだ。
文:学習指導要領と教科書に準拠して点検と評価を行っている。
若:作成委員を選んでいる最高責任者は誰?
文:独立行政法人なので大学入試センター所長(理事長)だ。
若:次は問題の作成者と、「強制連行」を載せていない教科書の関係者を呼んで意見を聞くべきだ。
若:検定は左翼学者の意見を尊重しているのであって、文科省は確信犯だ。
若:今後は入試問題だけでなく教科書記述の体質など全体的問題について考えていきたい。