トンデモ教科書
先生組合の観点表
大同協の裏検定
県教委の選定資料
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都道府県教委は教科書採択において重要な役割を果たしています。「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」の十一条に基づいて「教科用図書選定審議会」が設置されますが、都道府県教委は選定審議会に諮問し、かつその答申を受けて採択基準の作成と選定に必要な資料の作成を行わなければなりません。この”選定資料”の中には歴史教科書の自虐的内容について不問に付しているばかりでなく、むしろ自虐化に加担していると言えるものが多数存在します。ここでは前項に挙げた大同協文章の視点が選定資料に入り込み、学習指導要領の「目標」が無視されている実態を明らかにします。

大阪府教育委員会の選定資料 ※最新資料準備中

発行者の番号・略称

書名 著作権
3大書 中学社会 歴史的分野 熱田公 ほか12名
項目 事項

取扱内容
○世界とわが国の歴史、文化の関係が地図や写真を通して系統的に理解できるよう、よく配慮されている。

○時代の中で生きる人々の歴史が、史・資料や写真を使い、深く掘り下げられている。

○課題学習を通して生徒の興味、関心を高めるよう配慮されている。

人権の取扱い
○歴史の流れの中で、部落差別、民族差別、女性問題、アイヌ、沖縄、平和などの諸問題を幅広く、しかも、掘り下げて取り上げている。

○部落差別の問題をはじめとして、被差別者の立場から、差別に対して民衆がいかに立ち向かったのか詳しく説明し、人権尊重の認識が深まるようよく配慮されている。

内容の程度
○平易な文章で、学習内容も精選され、理解しやすい。

○写真、図版、史、資料を多く設け、学習内容が深められるよう配慮されている。

組織・配列
○10章で構成され、各章の初めに写真、史・資料、興味・関心を高める文があり、略年表には、中国、朝鮮の時代区分がそえられている。

○各章の終わりに、学習のまとめと課題学習がある。各項に学習課題が示されている。

分量
○本文は298ページ(28字x25行)日本史72%、世界史28%。日本史は原始・古代18%、封建38%、近代31%、現代13%である。

○カラー口絵・資料は21ページ、索引は7ページ、年表は1枚である。

創意工夫
○「歴史を掘り下げる」では、写真・資料を豊富に使い、学習への興味・関心を高める工夫がみられる。

○人々の暮らしぶりの変化を示す写真を多く使い、たいへんわかりやすい。

○各章のはじまりで、写真と記述で生徒の歴史に関する興味づけを行おうとする努力がみられる。(なぜ〜なのかという問いかけ)

国際性
○「地図をみて」を適宜挿入し、多くの歴史地図により世界と日本の歴史の関連にふれる記述がある。

○アジアと日本との関係、とりわけ中国、韓国・朝鮮と日本との関係について、大変詳しい年表を掲載し説明している。
※7つの項目のうち「取扱内容」「内容の程度」などの5つは一般的なカテゴリーなのに対し、「2・人権の取扱」「7.国際性」は個別の内容に関わるものです。項目の立て方がおかしい。
「2・人権の取扱」〜これを読むと一部の運動団体のパンフレットのような教科書の実態がよくわかります。

三重県教育委員会の選定資料 ※最新資料準備中
種目 教科書の名称 発行者の番号・略称
社会(歴史的分野) 中学社会 歴史的分野 3大書
1 内容とその扱い ○学習指導要領に準拠して、教科・分野の目標を達成するための基本的事項は、もれなく取り上げられている。

○人権問題については、前近代では、身分制が支配者により意図的につくられたものであることを具体的に記述するとともに、被差別民衆の高度な文化についても積極的に評価している。近代以降は、部落差別をはじめ、在日韓国・朝鮮人差別、アイヌの人々に対する差別問題などの歴史的背景について系統的に記述されている。(P.17インド文明と仏教、P.45律令国家の貴族と農民、P.84商人・手工業者の成長、P.124琉球と蝦夷地、P.127江戸時代の身分制度、P.153大西洋を運ばれた黒人奴隷、P.173渋染一揆の嘆願書、P.183四民平等と新しい身分、P.187北海道とアイヌ、P.235女性解放運動と部落解放運動、P.237解放を求めて立ち上がる人々、P.270国民の運動等)

○民衆のくらしと文化については、写真や図版を効果的に用いることによって民衆の視点を浮かび上がらせ、生活向上への闘いや文化の創造について記述している。(P.48農民の生活、P.57国司と農民、P.87村の自治・土一揆、P.126農民と町人、P.140百姓一揆と打ちこわし、P.191民衆の新政府反対一揆、P.211足尾鉱毒事件・社会問題の深刻化等)

○戦争と平和については、事実に基づいて、アジア諸国や被害者の立場から侵略の課程を見ようとする姿勢が伺われ、戦後の平和の問題も国際的視野に立って、大局的にその課題について記述している。(P.202日清戦争、P207韓国併合と朝鮮民衆の抵抗、P.231世界の民族独立運動、P.248日本の民衆運動の激化とアジア、P.258アジアに広がる戦争、P.294世界の中の日本、P.282平和共存への努力、P.296 平和で豊かな社会をめざして等)
2 組織・配列・分量 ○世界史については、前近代ではその時代の特色をエピソードや図版で捉えさせようとする試みが見られ、近代以降は帝国主義下のアジア諸国の人々で歴史を捉え、日本史と関連づけている。
3 創意工夫 ○写真や図版は豊富で見やすく、地図、文章及び統計資料も平易で、生徒が主体的に学習できるように配慮されている。

○見開き2ページで1時間の授業を構成しており、タイトルの下に小見出しで設問が設定されており、1時間の授業の課題がわかるように配慮されている。

○各章のとびらは、上段には大きな写真や絵が掲載され、その下にその説明と学習課題が記されている。下段には日本史を中心に朝鮮史と中国史の対比年表があり、各章の概略がわかるように配慮されている。

○各章の途中に「歴史を掘り下げる」等の特設ページを随所に設け、歴史的事象を深く掘り下げてその時代の理解の一助としている。

○各章末の「学習のまとめ」では、地図上に重要な事件や事象を位置づけて歴史を地理的に把握させようとする試みがなされ、下段にはテスト形式の課題が設定されている。
4 使用上の便宜・その他 ○表紙は堅牢、見返しも丈夫で、写真や図版等も鮮明である。
※「学習指導要領に準拠して、教科・分野の目標を達成するための基本的事項は、もれなく取り上げられている。」という評価が日本書籍にも、教育出版にも、清水書院にも、帝国書院にも、日本文教出版にも、大阪書籍と一字一句同じように書かれている。全社の教科書に全く同じ評価を下すなら、その項目を掲げて調査する意味がありません。教科書採択のための選定資料としての情報価値は皆無です。

奈良県教育委員会の選定資料 ※最新資料準備中

社会(歴史) 3大書
視点 特徴
内容の選択
配列
○単元は、次のように配列している。(1)原始から古代へ(2)古代国家の発展(3)中世の日本とアジア(4)結びつく世界と近世日本の形成(5)日本の近世社会の成立(6)ヨーロッパの近代化と日本の開国(7)日本の近代化とアジア(8)第一次世界大戦と日本(9)第二次世界大戦と日本(10)新しい日本と世界

○部落問題については、「江戸時代の身分制度」(P.127)「享保の改革」(P.137)「天保のききんと大塩の乱」(P.172)「四民平等と新しい身分」(P.183)「米騒動」(P.233)「女性解放運動と部落解放運動」(P.234)などで取り上げ、戦後では「国民の運動」(P.270)「生活と権利の向上のため」(P.296)で記述している

○その他の人権・環境問題については、「公害」(P.288)で公害問題を、「生活と権利の向上のために」(P.295)で高齢者、障害者に対する問題や女性、アイヌ民族、在日韓国・朝鮮人に対する偏見や差別について記述している。また、「住みよい地球を求めて」(P296)で環境問題などについて記述している。

○近代以降の近隣諸国との関連については、「満州事変」(P.250)「日中戦争」(P.252)「戦時体制」(P.253)「日本の南進と経済封鎖」(P.256)「太平洋戦争の始まり」(P.257)「戦争と民衆」(P.260)「歴史を掘り下げる(今に残る戦争の傷跡)」(P.264)「平和条約の調印と国連加盟」(P.281)「日韓基本条約」(P.286)「日中平和友好条約」(P.290)などで記述している。

○現在の国際社会については、「流動する世界」(P.292)で社会主義体制の崩壊、東西対立の終結、中東和平問題、旧ユーゴの民族対立、南アフリカの黒人政権誕生などについて記述している。
内容の分量
程度
総ページ数 308 歴史地図 68 文章資料 48 図版資料 17 さし絵資料 8 写真資料 410 統計資料 26 部分年表 17 口絵別丁写真 85 索引(人名210  事項 515)
表記・表現
使用上の便宜等
○表見返しから巻中、裏見返しにかけて「人類の歴史」など17項目の写真資料を掲載している。

○巻頭に、「歴史を学ぶにあたって」と「歴史をはかるものさし」を掲載し、巻末に、「歴史を学んで」及び折り込み年表を掲載している。

○巻中に、「縄文人のくらし」(P.25)などのくらしに関する資料を5項目、「歴史を掘り下げる」として「ペストの恐怖」(P.106)などの単元の関連資料を15項目、「課題学習」として「お茶にかくされた歴史」(P.168)などの課題学習の例を2項目掲載している。

○各章の初めに、部分年表と絵・写真及びその解説と学習課題を掲載し、章末には、「学習のまとめ」を掲載している。また、「学習のまとめ」の中には、「課題学習の例」を設定している。

○各小単元の初めに学習課題を設定している。

○人名索引の漢字にはすべてルビをふっている。
※驚くべきことに、学習指導要領の目標は全く考慮の対象とされていません。また、大書(大阪書籍)はこれだけたくさんの箇所で「部落問題」を扱っているから優れた教科書だということが、県教委の選定資料で評価されていることになります。大同協の視点そのもの、「ウラ検定」資料が見事に県教委の「オモテ」採択資料に化けたのです。
参考:新しい歴史教科書「つくる会」の主張