| いよいよ第二期採択戦の最後の一年のスタートです。トラックレースで言えば、最後の一周のゴングがなったことになります。この時期に、来年の戦いのための橋頭塗となる成果が生まれました。
東京都教育委員会は、八月二十六日午前に開かれた定例会で、平成十七年度に開校する都立中高一貫六年生学校(台東区に設置、学年定員百六十名)の中学校用教科書の採択を行い、社会科歴史的分野の教科書として、扶桑社の『新しい歴史教科書」を採択しました。これは一昨年の愛媛県における中高一貫校三校の採択に続く、一般の公立学
校として二番目のケースになります。「つくる会」は今回の都教委による教科書採択に際し、以下のような情勢分析と方針で臨みました。
まず、都教委の六人の教育委員の顔ぶれは次の通りです。▽教育委員長・清水司(東京家政大学理事長)、▽教育長・横山洋吉、▽教育委員・国分正明(元文部事務次官)、鳥海巌(元丸紅会長)、米長邦雄(永世棋聖)、内館牧子(脚本家)三年前の一斉採択の時に、都教委はすでに都立養護学校中等部の一部に、『新しい歴史教科書』を採択していました。採択したということは、八社の歴史教科書の中で扶桑社が最も優れていると判断したことを意味します。そして、対象となる検定済み教科書は、日本書籍の会社名が「日本書籍新社」と変わっただけで、三年前と全く同じです。この間、各教科書会社から文科省への自主申告による微修正は含みますが、それは大勢に影響するものではありません。他方、選定する委員も、内館牧子氏が新任であるほかは同じ顔ぶれです。ですから、よほどのことがない限り、今回も都教委は扶桑社を採択するのが順当であると考えられ
ました。
とはいえ、この条件は二年前の愛媛県教委の時も全く同じで、あのときは猛烈な採択妨害運動が展開されました。私たちは県教委の公正な採択が侵害されないよう、対抗して大規模な運動を展開しました。
私は、平成十三年六月五日の理事会で「愛媛問題対策本部長」に就任するよう、命じられました。「つくる会」の会員の皆様には、愛媛問題の緊急性を訴える特別の封書をお送りし、また、本誌『史」の七月号で、「愛媛を守るたたかい」への全会員の行動を呼びかけるアピールを行いました。その中で、@知事、教育長に激励の手紙、はがき、ファックス、eメールを送ること、A署名に取り組むこと、B集会に参加すること、の三つの具体的行動をお願いしました。これに応えて多くの会員の方々が積極的に行動してくださいました。署名数は全国で四十一万人に達し、反対陣営を圧倒しました。
この愛媛の時とは異なって、今回の都教委の採択に当たり「つくる会」は、「都教委の良識を信頼し、静かに結果を見守る」という基本方針で臨みました。これは、愛媛の時とは異なる次のような三つの新しい条件が生まれたことに基づくものです。 |