ドキュメント2001
平成17年採択結果
採択の仕組み
学習指導要領抜粋

近隣諸国と修正要求
【さいたく】
  一、平成十七年度の中学校教科書採択が、八月末をもって終了した。「新しい歴史教科書をつくる会」が提唱した扶桑社発行の歴史・公民教科書は、『改訂版・新しい歴史教科書』『新訂版・新しい公民教科書』として旧版の内容・表現を一新し、飛躍的に改善された。その結果、各地で開催された教科書展示会での一般市民の感想や市販本の反響にも見られるように、多くの国民から高い評価を受けた。扶桑社の教科書を採択した各地の教育委員会からも、学習指導要領に最も適合した教科書として、そのすぐれた特質が多面的に指摘された。反対派は、「戦争賛美の教科書」などという空虚で根拠のないレッテル貼りを繰り返すだけで、具体的な内容に立ち入った批判を展開することすらできなかった。中韓両国からの批判についても、文相や外相が積極的な反論発言をおこない、メディアも全体としては前回のような極端な「つくる会」たたきを展開することはできなかった。

  二、それにもかかわらず、朝日新聞は「教室で使うにはふさわしくない」などと、メディアにあるまじき不当な誹誇を加えた。国内の反対勢力は、前回ほどの大量の動員をすることはできなかったが、その分だけ、中韓の外圧、とりわけ韓国の政府・民間を引き入れての採択妨害活動に熱中し、その策動は熾烈を極めた。中国の反日デモなどを契機とする日本国内の嫌中・嫌韓感情の高まりを前に、逆効果となることを恐れたメディアは、中韓を引き入れた各地の採択妨害活動をほとんど報道しなかったが、実際には、韓国の中学生に手紙を書かせる、韓国の地方議員を扶桑社が採択される可能性のある地域に呼び寄せる、日本の新聞に広告を出すなど、日本国内の反対勢力に手引きされた韓国側の動きは、異常に突出したものであった。

  三、こうした中で、扶桑社の歴史教科書の採択結果は、一般の市区町村では、東京都杉並区と栃木県大田原市で新たに採択され、滋賀県立の中高一貫校と私立中学校数校に広がるなど、一定の前進を示したが、目標とする10パーセントにははるかにおよばない結果にとどまった。歴史教科書は、0.4パーセント、公民教科書は0.2パーセント程度となった。しかし、これらの採択地域・学校は今後の飛躍のための貴重な橋頭塗であり、激しい反対運動の中で冷静な審議を尽くして採択してくださった教育委員会と学校関係者に対して、私たちは深甚なる感謝の意を表するものである。また、教育委員会における最後の採決で、「2対3」で採択に到らなかったケースが多数にのぼった。評価していただいた教育委員の方々にも謝意を表したい。

  四、今回の採択を通じて明らかになったことは、教育界が一般社会の常識からかけ離れ日本社会の動きから大きく立ち遅れていること、半世紀以上にわたる日教組支配が依然として続いていること、教科書会社の利権が深く根を張っていること、等々の事実である。公開された教育委員会の審議の場で、扶桑社の教科書を高く評価しておきながら、評決では他社の教科書を採択するなどの、理不尽・不可解な採択の実態が露呈したところも少なくない。謀略・好計さえ弄して扶桑社の採択を妨害した地域すら存在した。こうしたことは、日本社会の根深い腐敗・腐朽の一部であるとともに、「殺人以外は何でもする」といわれた教科書営業の世界のおぞましさを垣間見せたものにほかならない。私たちは、教育界の浄化のためにも、今後、教科書採択の実態を徹底的に解明する作業にとりかかるつもりである。

  五、さらに、今回の採択を通して、教科書採択制度・法制の矛盾や欠陥も明らかになった。単位教育委員会の意向が採択に反映されない共同採択制度の矛盾は、茨城県大洗町や岡山県総社市、その他のケースであまりにも明瞭となった。採択期間中に採択教科書が国民の目の届く形で十分に公開されていないという問題も、文科省がホームページでの公開や採択期間中の市販を公式に認めるなど一定の改善の兆しは見られるものの、「国民に開かれた採択」にはほど遠いものであった。また、教育委員会の権限と責任において採択するという流れが定着しつつあるとはいえ、相変わらず「現場の教師の推薦の多い教科書を採択すべきだ」などと主張する教育委員や教育委員会が後を絶たない。そうした発言をする任務放棄の教育委員や組織が多数にのぼる現状を見るとき、もはや教育委員会制度そのものを見直す時期が来ているのではないかとさえ考えざるをえない。今後は、教育改革の一環として、教育委員会制度、教科書採択制度を全体的に見直し、無償措置法の改正を実現し、さらに教科書法の制定を展望する取り組みを開始したい。

  六、「新しい歴史教科書をつくる会」は、右のような教訓を生かして、四年後の教科書採択に三たび挑戦する決意をここに宣言する。中学校社会科の地理の教科書を新たに発行すること、家庭科、国語など他の教科の教科書にも進出することなど、新規事業についても検討する。教科書の日教組支配、歴史教科書の外国支配は、長い期間にわたってつくり出された強固な体制である。これを改善するには、相応の長い期間を必要とする。私たちは、良識ある国民に広く支持を呼びかけ、新たな勇気を奮い起こしてこれらの課題に立ち向かう所存である。
平成17(2005)年9月2日