平成17年1月号(通巻48号)より
日本の雌雄を決する年 戦いの一角を担おう
会長・高崎経済大学助教授 八木 秀次
 遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。

  今年平成十七年はいよいよ教科書採択の年です。私たちはまさに正念場を迎えました。しかし同時に、今年は我が国が国家として再生するか、あるいは衰退への道を歩み続けるのか、を決する極めて重要な年でもあります。

  戦後の政治体制と教育制度を規定してきた憲法・教育基本法の改正をめぐる左右の綱引きは今後熾烈を極めるでありましょう。

  また、拉致問題に伴う北朝鮮への経済制裁、首相の靖国神社参拝、中国海軍による領海侵犯など、近隣諸国によって我が国の主権が侵され続けている問題についても、覚醒しつつある国民世論と、「友好・親善」の美名の下に叩頭外交を続ける官邸・外務省、それを支持する一部財界、残存する左翼勢力との間で大きな摩擦を来たすことになるでしょう。

  さらに、三月、四月の卒業式・入学式では広島県教委、東京都教委に続いて全国の教育委員会でも国旗・国歌の正常化に向けての指導が行われると思われますが、それに反対する勢力はその存在を賭けて抵抗してくるでしょう。

  一方、すでに体制化している男女共同参画という名の革命思想も、平成十八年度からの国の新たな五ヵ年計画が今年策定されますが、そこでも大きな綱引きがあるでしょう。我が国の国体を左右する皇室典範の改訂も、今年秋にも政府の有識者懇談会の報 告書が出されますが、予断を許しません。そして、夏の中学校教科書の全国採択です。

  これらの問題に共通しているのは、背景にあるマルクス主義の存在です。

  冷戦が終焉して十五年以上経つにもかかわらず、我が国では国のあらゆるセクションにマルクス主義者(自覚・無自覚を問いません)が浸透し、彼らに振り回されているのです。総人口に占める彼らの割合はわずか数パーセントです。しかし、組織力があり、声が大きく、また影響力のある立場にいることから、彼らはこれまで様々な問題で多数派を凌駕してきました。また近年では、数では勝てないと悟ってか、国内の一部のマスコミや近隣諸国の政府・マスコミとも連動して、大多数の声を抑えてもきました。

  私たちが平成十三年夏の採択で敗北したのは、これら少数派による「『新しい歴史教科書』は戦争賛美の教科書だ」という根拠のない批判と脅迫に、全国の教育委員が怯えた結果と言っていいでしょう。

  しかし、そろそろこのような構図は多くの人たちの目に明らかになりつつあります。

  現在、子供たちが使っている教科書は呆れるほどマルクス主義の影響を受けています。歴史教科書には「戦え」「抵抗しろ」「訴えろ」「立ち上がれ」というメッセージがれ、公民教科書で具体的な恣ャ争目標揩ェ与えられています。昭和五十七年の「近隣諸国条項」によって、「従軍慰安婦」「強制連行」「南京大虐殺」など学問的には根拠のない悃s造揩ニ言っていいものまでが歴史教科書や公民教科書には記述されています。

  このような時代遅れの歴史観や嘘・デタラメを教わらなくてはならない日本の子供たちは本当に気の毒です。

  『新しい歴史教科書』『新しい公民教科書』は、中立的な他社の教科書に中に割って入った特殊なイデオロギーを持った教科書ではありません。他社の教科書の方がよほど特殊なイデオロギーに染まっているのであって、その構図を見誤ってはならないのです。

  私たちは時代遅れの唯物史観・階級闘争史観ではなく、今日の学問水準を正確に反映した教科書を作ろう、近隣諸国の目ではなく、日本人の目を通した歴史を語ろうとしているだけです。教育の世界に国民大多数の常識を取り戻そうとしているのです。このことはまだ全国の首長や地方議員、教育長や教育委員にしっかりと理解されているとは言い難いと思います。更なる啓蒙が必要だと思います。

  折りしも今年は戦後六十年、日露戦争勝利百年という記念すべき年です。すでに条件は整いつつあります。気を引き締めて、我が国の再生のための戦いの一角を担おうではありませんか。

中学校教科書採択の主な日程

三月 検定結果の公表(三月末or四月初)
四月 教科書採択事務開始(県教委:選定審議会発足)
五月 県教委:選定審議会・選定資料作成
六月 教科書〈見本本〉展示会 採択地区:調査資料の作成
七月 採択地区:選定委員会e教育委員会・採択地区協議会
八月 中学校教科書採択(月末締切)