平成17年9月号(通巻52号)より
「リベンジ」への確かな一歩
副会長・拓殖大学客員教授・高森明勅
 四年前。私どもは初めての教科書採択に臨んだ。「つくる会」にとつての恆謌黹宴Eンド揩セ。その結果はご存じの通り。ほとんど惨敗と言つてよいものだつた。

 だが「つくる会」はくじけなかつた。多くの方々の支援と期待を、ひしひしと実感し、また、みづからが背負ふ課題の重大さを、改めて痛感したからだ。「我々は必ずリベンジする」と、その結果をうけて私は書いた。落胆したり、悲観してゐる場合ではない。ここで立ち止まり、戦ひを中途で投げ出すやうなことをしてはならない。ひたすらその思ひを籠めて、また、自分にもそのやうに言ひ聞かせつつ、あへていささか刺激的な言葉を選んで、第二ラウンド勝利への意志を明示してみせたのである。

 それから四年が経つた。第二ラウンドの結果はどうか。残念ながら、胸を張つて「一○○パーセント怎潟xンジ揩果たした」と宣言するには、程遠い結果となつた。第一ラウンドの時に劣らぬ反省と自己点検が欠かせないだらう。私どもが挑まうとしてゐる「壁」の厚さも、予想以上だつたと率直に認めざるを得ない。

 だが、「つくる会」が今回、大きな成果を手にしたことも、間違ひのない事実だ。『新しい歴史・公民教科書』そのものの内容、教科書としての完成度が飛躍的に向上したことは、言ふまでもない。採択地区・採択校も、わづかであつても確実に拡がつた。採択にまでこぎつけられなかつた地区でも、中韓の外圧や反対派の妨害、役人の保身体質、教育現場の小児病的な反発などの悪条件が重なる中で、はつきりと私どもの教科書を支持して下さる教育委員が多数をられた。マスコミの報道姿勢も明らかに変はつてきた。さらに最も重視すべきは、教科書の是正を少しでも進めようとする心ある国民の熱意が、前回をはるかに上回つたことだ。

 今回、私どもは「リベンジ」を果たすことはできなかつた。だがそれへの確かな一歩を踏み出すことはできた。そのことは断言しておいてよいと思ふ。