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リレー随想 |
| このままでは日本は融けてなくなる |
| 首都大学東京理事長 高橋 宏 |
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波瀾万丈の二〇〇五年は日本にとって、あまり良いことはなかった。政治家・官僚・実業界も教育界も総じて日本人が倭小化し、志操の低い国民性を露呈するような事件が頻発した。
相も変らぬ政官財の癒着と汚職・官製談合・幼児誘拐殺害・予備校教師の生徒刺殺、親が子を殺し、子が親を殺すなど昔は考えられなかったことだ。列車脱線事故・姉歯事件・アスベスト被害の拡大。隣国から靖国問題でからまれると安易に謝り、元首相クラスの大物政治家たちがすぐに「戦犯者分祀に代替施設」建設だと騒ぎ立てる。政界のリーダー達は毅然たる態度で北朝鮮による拉致被害者救済、北方四島返還・竹島問題に対応したか!? 朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の結末は、日本の外交力の弱点を露呈した。全く情けない有様だ。
三年前、親友・石原慎太郎君がやって来て、こう云った。
「高橋よ、このままでは日本は融けてなくなるな。先ずやるべきことは教育改革だ。次の日本を背負って立つ、次世代の育成だ。志の高い、根性のある若者を育てたい。俺の都知事公約のひとつ、大学改革を引き受けてくれ!」
私は即座に「柄にも無いことだ。他にもっと立派な人たちがいる筈だ」と断った。それでも石原は諦めない。そのうちに永年の友人たちがやって来て、「今の強腕石原にノーと云えるのはお前だけだ。潔く引き受けろよ」というのでOKした。
1.深刻な日本の教育問題、日本の教育全般が混迷状態だ。小・中・高・大を通じて、学生の学力低下は憂うべきものだ。学級崩壊、いじめ、教師への暴力事件、国旗・国歌の拒否など若者の心が荒廃し始めているようだ。若者世代のフリーター・ニートの増加傾向は放置できぬ社会問題となっている。
2.今こそ日本人に自信と目標を与え、活力を注入すべきだ。日本人としての民族の誇りとアイデンティティの再構築が必要だ。日本よ、もう謝るな! 歴史認識の徹底点検の時期だ。東京裁判史観・自虐史観からの脱却が必要だ。正しい歴史教育を行い、賢明で力強い日本の若者世代を育て上げねばならない。
3.先ず改正すべきは「昭和憲法」と「教育基本法」だ。この二つとも戦後アメリカ占領軍によって押しつけられたものだ。渡部昇一氏などは「改正なんてとんでもない。それは占領憲法に正統性(Legitimacy)を与えたことになろう。スクラッチ(白紙)から作り直すべきだ」と述べておられるが、私も同感だ。
(たかはし ひろし)
昭和8年、新潟生まれ。一橋大学商学部卒業。日本郵船に入社し常務取締役などを経て代表取締役副社長に就任。その後、郵船航空サービス代表取締役社長。平成17年、公立大学法人首都大学東京の理事長に就任。著者に『コンテナ時代』など。普化宗尺八明暗蒼流会会長。書道、柔道5段。 |