平成19年9月号(通巻64号)より
子供たちのために 初心に返り大同団結を
 
濱野晃吉 (はまのあきよし)理事・経営コンサルタント会社社長

 「新しい歴史教科書をつくる会大阪」の名誉会長であった高橋季義(すえよし)氏は就任後、血液のガンに冒され余命三ヶ月の診断を受けた。奇跡的に寛解したが、医師からは、大衆の中は絶対に避け外出を控えるよう指示されていたにもかかわらず、平成十四年秋の支部総会に突然マスクを着けて現れた。そして、「このような自虐史観の歴史教科書で子供たちが学んでいたのでは、この国は亡ぶ。愛国教科書をつくり、本物の日本人を育てていかねばならない。しっかり頼む」と挨拶された。
 戦後の巧妙な占領政策と左翼勢力の反日運動により、日本人は劣化した。それが教科書にまで及び、子供たちが悲惨な事件を起こす一因となっている。
 平成九年、西尾幹二先生を中心に歴史教科書の危機的な内容を察知した同憂の士が集まり、教科書改善運動が始まった。西尾先生が心血を注いで書き上げた『国民の歴史』は八十万部に達し、引き続き市販された『新しい歴史教科書』は六十五万部、『新しい公民教科書』は四十万部に達した。日本に本物の日本人が生きていたのである。
 平成十三年度の採択は僅かではあったが、風穴を開けた意義は実に大きい。アリの一穴が重大な意味を持つのである。平成十七年度は前回採択と同様、異常な反対運動があったにもかかわらず、その十倍の採択率で飛躍的に伸びた。その間、他の七社の歴史教科書の内容が「つくる会」寄りに変わった。「三十万人南京大虐殺」の記載が消え、「従軍慰安婦」に関する記述も改善された。また、『新しい歴史教科書』にあるエルトゥールル号事件の話と同じ内容を書く教科書会社まで現れた。このように他社が『新しい歴史教科書』に近づくことは大いに結構なことである。
 平成十八年九月に安倍政権が誕生し、「美しい国づくり」を提唱した。これは愛国心を育て、自分の国は自分で守るということである。そのため教育基本法を改正、防衛庁を「省」に昇格させたのである。その後、教育三法も制定され、わが国の歴史教科書のあるべき姿は、「つくる会」の趣意書の精神そのものとなり、その土壌づくりをしたのが「つくる会」であったといえる。
 「つくる会」はこのたび新しい出版社から『新しい歴史教科書』を発刊する道を選択したが、日本の次代を担う本物の日本人を育てるのが目的だ。現在、この教科書で学ぶ子供たちからは「よかった」、教師からは「教えやすい」、父兄からは「子供が輝いてみえる」という声があがっている。
 「つくる会」を支援してくださる方々から、さらに好感を持たれ、信頼され、尊敬される運動を展開し、輪を広げていかねばならない。我々はこの初心に立ち返り、自信を持って次の採択に向け大同団結してしっかり取り組もうではないか。