『新しい歴史教科書」は、去る四月十七口、文科省に三度目の検定申請を行ひ、受理された。これまでの二回は扶桑社版であつたが、このたびは自由社版として検定をうける。
いよいよ教科書の是正へ向けた「つくる会」の"第三ラウンド”のゴングが鳴つたのだ。
今回の『新しい歴史教科書』(自由社版)は、その内容において前回の「改訂版」の基調を踏襲しつつも、さらに新機軸を打ち出し、生徒の理解をうながす編集上の工夫もこらされた。教科書としての完成度、見た目の斬新さ、記事の面白さなどで、確実に向上した。
もちろん、検定作業の過程で多少の手直しは求められるだらう。だが根幹にかかはるやうな変更は、もとよりあり得ない。であれば検定終了後、私どもはこれまでで最善の教科書を手にすることになる。
来年四月から始まる三度目の採択戦は、当会の理念を的確に反映し、かつ最も改良された、この教科書の普及を賭けた取り組みになる。
これまでに築き上げて来た私どもの地盤をどこまで拡大できるか。それはまさに、当会の存在意義が問はれる一大決戦と申しても、敢へて過言ではないだらう。
周知のごとく、第三ラウンドを迎へるに先立つて、私どもは予想もしない激震に見舞はれた。それは長く深く当会を揺さぶつた。
この間の会員、支援者の皆さんの憂慮、焦燥はいかばかりか。
この点につき、非力ながら会の運営に責任を負ふべき理事の一人として、率直にお詫び申し上げる。
その上で、会がその混乱を見事、乗り越えて、第三ラウンドのリングに、最善の教科書を携へて立つことができたのを、誇りとしたい。
もはや後ろを振り返つてゐる場合ではない。
来年四月から開始する採択戦本番に向け、これまでの教訓に学び、各地で勝利の展望を切り開くため、綿密な現状分析と周到な戦略の練り上げに全力を注ぐべき時だ。
私どもの運動は、教科書の採択結果ではいまだ所期の目標からほど遠いものの、広く国民の間に教科書問題への注意を喚起し、採択の仕組みそのものの問題点を暴き、教科書各社の歴史記述を一部改めさせるなど、着実に成果を積み重ねて来た。
第三ラウンドではその成果の上にたつて、『新しい歴史教科書』の採択拡大を勝ち取りたい。
情勢は決して楽観を許さない。だが局面が険しければ険しいほど、わが国の立ち直りのために、私どもの勝利が求められてゐることを銘記すべきだ。
いざ、ともに新たな戦ひに踏み出さう。