来年度から二年間使用される中学校教科書の採択が、この四月から八月まで、各地の教育委員会で行われます。社会科歴史的分野の教科書の採択には、つくる会のメンバーが執筆した自由社の『新編新しい歴史教科書』が新規に参入します。
自由社以外の教科書会社は、昨年四月に改訂版をつくって文科省に検定申請することを見送りました。従って、今年の採択に付される教科書は、他社は四年前のものと全く変わらないものであるのに対し、自由社だけは扶桑社の『改訂版 新しい歴史教科書」の内容を引き継ぎながらも、その後四年間の変化にあわせて作り直したものです。従って、次の二点において、最新の、最も工夫された歴史教科書となっています。
第一点は、教育基本法改正を踏まえて編集した唯一の教科書となっていることです。
周知のように平成十八年、教育基本法が全面的に改正されました。改正された教育基本法では、その第二条で「教育の目標」を新たに定め、その中に、「公共の精神」、「伝統と文化の尊重」、「我が国と郷土を愛する」(愛国心・愛郷心)などの項目を明記しました。
これを受けて、自由社版『新編 新しい歴史教科書」では、扶桑社版の美術史に偏った巻頭グラビアをやめ、「そこに眠っていた歴史」というシリーズを設けて、「岩宿遺跡の発見」、「高松塚とキトラ古墳」、「出雲大社」、「戦艦大和」の四つの学習テーマを配置しました。この中で特に、戦艦大和の写真が教科書に載るのは、全く初めての出来事だと思います。
また、巻末には、昭和天皇について、その「お言葉」を集めて特集するなど、ニページにわたる記事を掲載しました。これも戦後の教科書の歴史において画期的なことです。
第二点は、他社の四年前に採択された教科書を精密に比較検討し、歴史的に最も正確にして妥当な記述に努めたことです。その比較検討の成果は本誌をご覧いただくとその一端がわかるようになっています。
以上の点で、自由社の教科書は、現時点で最も優れた歴史教科書となっています。
なお、つくる会の教科書として四年前から採択されている扶桑社版の『改訂版 新しい歴史教科書』(代表執筆者・藤岡信勝)が採択に参入する可能性もありますが、その場合でも自由社版が長足の進歩をとげていることは、右に例示したことからもその一端がわかります。このことは、公平に比較していただければ容易にご理解いただけるものと信じます。
各地の教育委員会が、自由社版を含めて、選定資料を改めて作り直し、そのなかから最も優れた教科書が選ばれるよう期待いたしております。