Vol.03 遠藤浩一氏
Vol.01 西尾幹二氏
高森 明勅 (たかもり あきのり)
新しい歴史教科書をつくる会 理事

昭和32年(1957年)、岡山県出身。昭和58年、國學院大學文学部卒。平成元年、同大学院博士課程単位取得。現在、同大学および麗澤大学講師。専攻は神道古典・祭祀研究。

現在、小林よしのり氏責任編集の『わしズム』(幻冬舎)にて「神様の住所録」を好評連載中。
Vol.02 タカモリぐうたら日記抄
 十月十一日 「神話」対談

 午後三時から五時まで、東京・千代田区の如水会館で雑誌掲載用の対談。
 掲載誌は新人物往来社の『歴史読本』平成十六年一月号(十一月二十二日発売予定)。テーマは「日本神話の魅力と可能性(仮)」。対談相手は仏教大学文学部助教授の斎藤英喜氏。国文学の立場からの神話研究者としては代表的な一人だ。朝日新聞社の『AERA MOOK 日本神話がわかる。』には「スピリチュアル ジャーニー 日本神話の<聖地>をゆく」を執筆してをり、私の手もとにも同氏編の『日本文学を読みかえる(1) 日本神話 その構造と生成』(有精堂)・『叢書・文化学の越境(2) アマテラス神話の変身譜』(森話社)などの興味深い論文集がある。

 その斎藤氏が方法論懇話会編『叢書・<知>の森2 日本史の脱領域』(森話社)所収の「『日本神話』というパースペクティブ」と題した論文で、『新しい歴史教科書』の神話記述を真正面から批判された。そこで『歴読』編集部が明年正月号で「古事記・日本書紀と古代天皇家」との特集を組み、その中の一つの柱として「神話」対談の企画が浮上した際、斎藤氏と高森を対決させてみようといふことになつたらしい。

 編集部からの依頼状には「通例、学術雑誌や論壇誌の『対談企画』では、相反する見解をお持ちの方にご登場いただくことはあまりございません。水掛け論、あるいは不毛な議論となるのを恐れてのことと存じますが、神話の魅力はどこにあるのか。そしてそれを次世代に伝えていくということはどのような意義があるのか――を論じていただくことは、専門の研究者のお立場としては、当然あり得べきことだと存じます。むしろ、見解を異にする方どうしの対話のなかで何が見えてくるかに、私どもでは非常に興味をもっております」とあった。

 かつてある雑誌のインタビューに応じて、その掲載号が発売された後、その雑誌の編集部から「あのインタビューを掲載した為に、次号用の執筆を依頼したある方から『つくる会サイドの発言を載せるやうな雑誌には書かない』と断はられてしまひました」との連絡が入つたことがあり、まつたく異常なことと驚いた。『歴読』編集部が、一部にはそんな「こはばつた」雰囲気が残つてゐることを承知の上で、今回の企画を立てたのかどうかは知らない。興味のもてる提案だつたので早速、承諾の返事をし、この日ぴつたり二時間、斎藤氏と知的スリルに富んだ楽しいひとときを過ごした。

 およそ「水掛け論、あるいは不毛な議論」とは最も無縁な対談になつたのではないかと思ふ。

 このたびの対談で終始、誠実に対応していただいた斎藤氏には、心から敬意を表したい。

平成15年10月23日

主な著作のご案内

邪馬台国の位置や倭国の実態とその全体像、「日本」という国号の誕生や「天皇」号が定着するまでのプロセスなどは、どこまで解明されたのだろうか。最新の研究成果をふまえ、古代日本史の迷宮に挑む。
謎とき「日本」誕生
ちくま新書 /平成14年11月発刊
価格: ¥720
なぜ天皇制度は存続してきたのか。天皇の起源、三種の神器のゆくえ、君が代のルーツ、そして女帝論…。天皇を主軸にすえて日本を読む。日本のアイデンティティを知る上での格好の1冊。
日天皇から読みとく日本―古代と現代をつなぐ
扶桑社/平成14年7月発刊
価格: ¥1,429

はじめて読む日本の神話
展転社/平成12年3月発刊
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この国の生いたち
―あなたは「天皇」の起源を知っていますか
PHP研究所/平成11年11月発刊
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天皇と民の大嘗祭
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