Vol.03 遠藤浩一氏
Vol.05 高橋史朗氏
田久保 忠衛 (たくぼ ただえ)
新しい歴史教科書をつくる会 理事

昭和8(1933)年生まれ。早稲田大学法学部卒業、時事通信社に入社。ハンブルク特派員、那覇支局長、ワシントン支局長、外信部長を経て、海外事業室長兼論説委員。83年編集局次長。84年杏林大学社会科学部教授、92年より同学部長を経て、現在同大学客員教授。国際政治学・国際関係論。法学博士。
主な著作のご案内
9.11テロ以後、ブッシュのアメリカはどう戦略を変えたのか?ペリー来航以来150年の、アメリカ外交と戦争のリアリズムを徹底検証。
アメリカの戦争
田久保忠衛
恒文社21 /平成15年12月発刊
価格: ¥2400+税
主な内容:アメリカを読む指針/ 反米に踊らされる「マスコミ文化人」たちよ/ 「グラウンド・ゼロ」に背を向ける人々/ 「ネオコン」という虚像
反米を撃つ
田久保忠衛・古森義久著
恒文社21 /平成15年11月発刊
価格: ¥1600+税
アメリカの最終目標は何か? 日本の活路は? 日本人、日本という国家の可能性に照らして日本が選択すべき国家像、同盟のあり方を考える。軍事、外交、経済、政治のそれぞれのエキスパート4人による対談集。
国益会議
日下 公人・田久保忠衛著
PHP研究所 /平成15年6月発刊
価格: ¥1500+税
大丈夫か、日本の独立精神
日下公人・ 田久保忠衛・ 神谷万丈・金美齢・井山 嗣夫著
自由国民社 /平成14年9月発刊
価格: ¥952+税
テロの時代と新世界秩序
田久保忠衛・ 斎藤元秀・平松茂雄著
時事通信社/平成14年9月発刊
価格: ¥1,900+税
新しい日米同盟 ー親米ナショナリズムへの挑戦
PHP新書 /平成13年5月発刊
価格:¥660+税
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Vol.04 日本をとりまく国際情勢の変化―政治家は冷静に分析せよ
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 日本の政治家が国際情勢全体の中での日本を冷静に観察しているかどうか大いに疑問である。先の衆議院選挙で争点となったのは国内の改革であり、年金問題であった。ところが、米国をはじめ日本の近隣諸国の日本を見る目は確実に変化している。
最近のいい例は、米「フォーリン・アフェアーズ」誌にユージン・マシューズ前米外交問題評議会上席研究員が書いた「日本の新しいナショナリズム」と題する文章だ。マシューズは一昨年十二月に日本の海上保安庁の巡視艇が奄美大島沖で北朝鮮の工作船を撃沈したのは第二次世界大戦後初めて日本が武力行使をしたことを意味する、とこの事件を重視し、従来受身だった日本の姿勢の大きな変化だと述べた。

 北の工作船撃沈事件が日本に起きている「新しいナショナリズム」の発端になったかどうかは大いに疑問だが、首相による靖国神社公式参拝、新しい歴史教科書、憲法第九条改正の三問題について近隣諸国がつけている注文はいずれも間違っている、と同氏は主張しているのである。近隣諸国が見当外れの批判を続ければ日本のナショナリズムはさらに反発し、核武装にまで突っ走るから、米国がこれら諸国説得に一肌脱ごうという有難い提案までしている。

 教科書に関する彼の指摘をそのまま紹介すると、「同じこれら日本人は新しい歴史教科書が引き起こした狂気に腹を立てている。実際に外国の抗議は日本のナショナリスティックな感情を刺激するたけだ。周辺諸国は新しい歴史教科書が第二次大戦における日本の役割や日本兵によって引き起こされた残虐行為を正確に記述していないと不満を表明している。しかし、教科書を読めば日本の役割を美化していないことは明らかだ。教科書は近隣諸国が望むほど詳細には立ち入っていないだけだ」となる。マシューズ氏は教科書をろくに読みもしないでぐずぐず言っていると日本人は本当に怒り出すので、それが一番恐ろしいと警鐘を鳴らしているのだ。

 ここで言う「同じ日本人」とは、「六十年前の行動には十分に謝罪してきたので、日本政府は正当な主張を唱えるべきだと考える多くの日本人」を指す。一米民間人の文章に反応するかのように、中国の人民日報評議員の馬立誠氏や中国人民大学国際関係学院教授の時殷弘氏が昨年にかけて相次いで、日本の問題を論じるときには中国側に「節度」が必要だと説き始めているのは何を意味するのだろうか。胡錦濤路線は日本に対し「太陽政策」を打ち出しつつあると分析する中国問題専門家は少なくない。日本人がどういう姿勢を示せば、外国はどう反応するかのカラクリを見抜く必要がある。もちろん、「太陽政策」が戦術上の方針転換であることも承知していなければならない。

平成15年11月21日