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日本帝国の申し子
カーター・エッカート著 小谷まさ代訳
草思社/2,400円(税別) |
| 日本統治時代の朝鮮人資本の一企業(京紡)の歴史を、その創業からの全記録を調べた結論は、同社の隆盛の淵源は統治時代にあったという、著者の予想外のものであった。1991年の原著出版後、欧米では高い評価を受けたが、韓国では、日本統治を弁護するものだ、との批判もあがった。本書は一次資料などを引用した上で著者の解釈を述べているが、日本の朝鮮統治には批判的であると明言する著者ですら、資料と照らし合わせると「京紡の発展は余りにも目覚しく、日本帝国主義の犠牲になったとは到底考えられない」と書かざるを得なかった。(平成16年3月号『史』掲載) |
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朝鮮人強制連行はあったのか
岡田邦宏 著
日本政策研究センター/500円(税込) |
「解答不能入試」をきっかけに、「強制連行」の内容及び根拠を再検証する動きが、以前に増して広がっている。本書は事実を知ろうとする者に、歴史的事実と背景を判りやすく解説しながら、「強制連行」説の虚構を見事なまでに喝破するものである。大学入試センター言うところの「教科書」で学ぶ生徒にこそ、事実を教える最適な教材として手渡されるべきで、本書を知友に薦めていただく一方で、図書館での購入リクエストを求めたい。事実を知る機会が提供されることにより「目から鱗」の光景が、各地で見受けられることであろう。(平成16年3月号『史』掲載)
*入手先:日本政策研究センター
TEL 03-5211-5231 FAX 03-5211-5225 |
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回顧する日本外交 1952―2002
村田良平 著
都市出版/2,500円(税込) |
| 中近東アフリカ局長から外務事務次官・駐米大使・駐独大使を歴任し、外務省を上り詰めて五十年、著者は世界を知った実体験から、主権回復後の日本外交の抱える問題が、単に一省庁の体質にとどまらず、日本全体が抱える戦後政治や教育のありかたと深くかかわっていること、それが国民全体の薄れつつある使命感、志の回復という目に見えない部分を麻痺させている事態を憂慮している。憲法改正に当たり、世界に向けて日本は国家として何を目指すと宣言するのか。外交のエピソードを交えながら、長いスパンの話を興味深く読ませてくれる。(平成16年3月号『史』掲載) |
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治安回復100の証言検証―治安・拉致を考える
土屋たかゆき・柿裕治 共著
国書刊行会 /1,600円(税別) |
| 「『世界のなかで尊敬する人は誰ですか』と聞かれると、真っ先に金日成総書記の名前をあげる」。槙枝元文・日教組元委員長は、平成14年にそう公言してゐる。拉致問題に関する発言には様々なものがあるが、それらを再確認すると、共同体を喪失した戦後日本の問題性が自づから浮かびあがつてくる。本書は、拉致と治安に関する各界人士の証言を計百集め、久しく其々の問題に取り組んできた著者二名が、直言的解説をつけたものである。国の内外から迫り来る危機に対して、どの様に対処するべきか。我々は正に岐れ道に立つてゐるのである。
(平成16年3月号『史』掲載) |
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日露戦争が変えた日本史
平間洋一著
芙蓉書房出版 /2,625円(税込) |
| 本書は、一世紀にわたる視点で、様々な角度から日露戦争の世界史的意義を捉えた労作である。著者は該博な知識と識見を駆使しつつ、歴史に対する検察官的態度を厳しく排して、公正な著述に徹している。それ故、日露戦争の勝利が、数百年来の苛斂誅求を極める西欧列強による植民地支配に、呻吟していた世界の有色人種に与えた希望が強く伝わってくる。それはまた、先人の高貴な労苦と勲に思わず頭を垂れたくなる爽やかな読後感をもたらす。劣悪な教科書を使わされ、祖国の国柄を破壊しかねない反日教育に毒されている青少年に特に薦めたい。(平成16年5月号『史』掲載) |
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歪められた日本神話
萩野貞樹 著
PHP新書 /714円(税込) |
| 歴史教科書の記述を含め、戦後日本を支配した「記紀神話は権力の創作物で神話に非ず」とする謬見を一刀両断した快著。まず「政治的捏造論」の元祖・津田左右吉の論理を、先に結論ありきの「魔女裁判」、梅原猛の「史実反映説」を、思い込みに基づく「珍説」と切り捨て、続いて、学界主流が自称する「合理的解釈」を、古今東西の神話を反証に挙げ、論破し尽くしている。イデオロギーを排し、神話への共感を説く論旨は明快で「合理的」なる語はむしろ本書にこそ相応しい。次回作には著者独自の視点から神話を読み解いた続編を要望したい。(平成16年5月号『史』掲載) |
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論語
加地伸行 著
講談社学術文庫 /1,260円(税込) |
| 本書は、わが国における儒教研究の第一人者である加地伸行氏による『論語』訳注書。本書冒頭に、「『論語』は、東北アジアにおける最高の古典である」とあるように、『論語』が中国、朝鮮そして日本に及ぼした影響ははかりしれない。その『論語』が、緻密な学問的考察と体系的解釈によって、今ここに鮮やかによみがえった。学而から蕘白まで全二十篇の構成となっているので、寝る前に一日一篇読めば、二十日で読み終わる。その後、何度でも読み返したくなるだろう。学而篇の「学びて時(つね)に之を習う。亦説(またよろこ)ばしからずや」の通りである。(平成16年5月号『史』掲載) |
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そのとき自衛隊は戦えるか
井上和彦 著
扶桑社 /1,500円(税込) |
| 我が国には軍事学或いはそれに類する講座を設けてゐる大学は皆無であり、他国ではそれらの講座を設けることが当然のことだといふ。戦後、我が国は「軍」「戦争」を語ることを忌避し、嫌悪してきた。それを語ることはタブーですらあつた。そのために国民は自衛隊の実態を知らぬままに過ごして来た。本書は、本年五十年を迎へる自衛隊創設からの歴史、その実力(戦闘能力)、自衛隊を縛つてゐる法整備等の諸問題を手際よく整理し、詳細に解説してゐる良書である。本書によつて、自衛隊の真実の姿と我が国が陥つてゐる誤謬が理解できる。
(平成16年5月号『史』掲載) |
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