■ロバート・コンクエスト ■白石治朗訳 ■恵雅堂出版 ■5,250円(税込)
わが国が周辺諸国から、領土問題でどのような理不尽な言いがかりをつけられ、領土を占拠されているかを手際よく解説している。だが、本書の価値はそれに止まらない。戦後の「国家」や「主権」を忌避する風潮と戦ってきた著者は、日米安保と現憲法を信奉する「この国のかたち」を続けていては「最終的には領土をかすめ取られる」と断言する。日米同盟は堅持しつつ、日米同盟の枠内でいびつになったわが国を「普通の民主主義国」へ是正するのが領土問題解決の最短距離と説く。卓見だ。 (平成19年7月号『史』掲載)