日本人なら知っておきたい  靖國問題

■高森明勅(編)
■青林堂
■1,365円(税込)

 本書は、平成15年から平成18年にいわゆる「靖国問題」を主題として靖国神社崇敬奉賛会の主催で行われた講演、対談の内容が掲載されている。近年で最も靖国神社が国内、国外 の耳目を集めた期間のことであり、当時を振り返る意味でも興味深い。大原康男氏をはじめとする語り手はいずれも靖国問題の第一級の識者で、内容も多岐にわたるが、20代〜40代を対象にした講演会であるため語り口は平易でわかりやすい。今現在も解決をみない靖国問題を基本から押さえるのに有効な一冊である。
(平成19年9月号『史』掲載)

 

再現南京戦

■東中野修道
■草思社
■1,890円(税込)

 一次史料を縦横無尽に駆使して南京攻略戦をあるがままに再現する。比較的参照しやすい史料が主に使われているが、参戦将兵の日記等、新発掘史料の使用も多い。「あった派」が都合よく皮相的に利用し、「虐殺」の根拠としてきた諸史料をも丁寧に徹底論駁している。陥落後の南京の治安が急速に回復していたこともわかりやすく説明される。南京攻略は父祖たちがいかにして、どれほどに苦労して血を流し、堂々と成し遂げたのかを教えてくれ、それは誇りこそすれ、誹誇されるものではないことが実感できる。
(平成19年9月号『史』掲載)

 

よくわかる慰安婦問題

■西岡力
■草思社
■1,155円(税込)

 慰安婦問題――すでに決着が付いているはずが国連も巻き込み、米国議会にまで問題にされた。闇に入ってゆくこの問題を発端から丹念に調べ上げ、現地の声も拾い、これまで出された公的機関の報告文章の希薄さを検証する。それに対する日本側の対応の脆弱さも指摘。読み進めば日本の外交と現状も分かる。「本来友好であるべき両国民の感情の溝は回復困難なほど深まってきてしまった」が、ここまで来た闇の元凶は何処にあるのか。心ある日本人として知るべきことを、具体的な根拠を基に書かれている。
(平成19年9月号『史』掲載)

お父さんへの千羽鶴

■ときたひろし
■展転社
■1,995円(税込)
 他人の幸せを祈りつくられる、日本文化の千羽鶴。本書は、自らの命より大切なもののため任務を全とうした特攻隊員と無事を願う家族が折鶴へ託した「私心なき祈り」をテーマに、著者ならではの温かい画で描かれている。著者が刑事だった頃、突然、鶴の飛ぶ姿が頭に浮かび、以来長年にわたり構想を練って来たという渾身の1冊。英霊顕彰を子や孫へわかりやすく読み伝えることができるとともに、我々大人も「日本の父親」の立場を改めて考えることのできる、お薦めの「新しい絵本」である。
(平成19年9月号『史』掲載)