新平成の皇室  両陛下にお仕えして

■ 渡邊允
■明成社
■1,260円(税込)

 著者は平成19年6月までlO年半、侍従長を務められた。著者によれば、陛下の御心は「開かれた皇室」といふより、「国民と距離の近い皇室」といふものであるといふ。行幸先では一人一人と時間をかけて丁寧にお話しになられ、国民の奉迎に対しては、時に何時問も立ち続けて手を振られる。震災等の被災地に対しては、充分に復興するまで、現地住民の生活を何年も心にかけられる。「距離が近い」とは、些かも抽象的ならざることであり、そのために陛下が如何に心を尽くしてをられるかを本書は教へてくれる。
(平成21年3月号『史』掲載)

 

国家への目醒め 賢く勁き日本に

■NPOふるさと日本プロジェクト
■田久保忠衛・櫻井よしこ 
■海竜社       
■1680円(税込)

 日本人が失ってしまったもの ---。戦後、歴史的な経済復興を遂げ、本来なら米国とともに世界のリーダーとなっていたはずの日本。しかし今、世界はおろかアジアにおいてさえも、その地位を中国に奪われつつある日本。本書は、防衛・経済・外交等の様々な分野で、現在わが国が直面している諸問題に警鐘をならす。そしてその「失ってしまったもの」をいち早く取り戻すことの重要性を力強く説く。この国の将来を私たち日本人白身の手で切り拓くために、大きな道しるべとなろう。
(平成21年3月号『史』掲載)

 

1937南京の真実

■水島 総(原作)
 前田俊夫(作画)
■飛鳥新社
■1,680円(税込)


 本年4月公開の映画「ラーベ」を皮切りに、中国が数百億円を投じ、世界10ヶ国以上で製作した「南京大虐殺」映画が連続世界公開される。宣戦布告とも言えるこの情報戦争に、唯一対抗する日本映画が「南京の真実」3部作であり、本書は第3部予定脚本の劇画化である。識者達のコラムと共に、アイリス・チャンの謎の死究明から「南京大虐殺」の捏造を暴いていく物語は、南京問題の格好の入門書となっている。南京陥落を報じた当時の朝日、毎日新聞の原寸大付録は、報道の虚実を露呈させて興味深い。
(平成21年3月号『史』掲載)

 

 

アジア英雄伝  日本人なら知っておきたい25人の志士たち

■坪内隆彦
■展転社
■2,625円(税込)
 アジアの英雄とは誰を指すのか?ジンギス・ハーンか、それとも秦の始皇帝か?まさか毛沢東か?本書は、そんな偏向教科書世代の(非)常識に一撃を与える快著だ。著者が何を基準に国と民族を超えた25人を選び、伝を立てたかを示すキー・ワードが、なんと「汎アジア・ネットワーク」。戦前刊行の膨大な史料に当たり、戦前戦中のアジア全土に植民地支配からの脱却を至上目的とする志士たちの連携が存在したことを、過去のロマンとしてではなく、今日に生かす視点で記述する姿勢を高く評価したい。
(平成21年3月号『史』掲載)